外来診療

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内科

悪性リンパ腫

 悪性リンパ腫は、リンパ球(白血球の一種)を母地として発生する新生物の総称です。その半数は頚部や腋窩、そけい部などの体表や体内のリンパ節、扁桃腺から発生し、残り半数はリンパ以外の臓器に生じます。頻度の多い臓器や部位は胃、鼻腔、大腸、甲状腺ですが、その他にも肺、肝臓、脾臓、脳、骨、皮膚、骨髄などあらゆる臓器から起こりえます。悪性リンパ腫はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、さらに、非ホジキンリンパ腫は発生母地の違いからB細胞型とT細胞型、NK細胞型に分類されます。現在のWHO分類では40種類を超える組織分類(タイプ)があり、その分類によって治療法も異なります。

悪性リンパ腫の検査

 確定診断には「リンパ節生検(腫れたリンパ節の一部を摘出すること)」が必要です。摘出したリンパ節は組織分類のための「病理組織検査」や、フローサイトメトリー、さらには「染色体/遺伝子検査」のために分割して利用されます。「遺伝子検査」はいわゆる「遺伝性(親から子に受け継がれるもの)」をみるものではなく、リンパ腫の治りやすさ、治りにくさの指標として「遺伝子のキズ」をみるものです。

 同じタイプのリンパ腫でも病気の広がり(病期)によって治療方針が異なることがあります。病期決定のためには全身CT検査や脳のMRI検査、消化管内視鏡検査、PET-CT検査などを行います。またタイプによっては骨髄検査にて骨髄中へのリンパ腫細胞の浸潤の有無を確認することもあります。

悪性リンパ腫の治療

 悪性リンパ腫の治療の基本は、複数の薬剤を組み合わせて行われる「多剤併用全身化学療法」です。これに放射線照射を組み合わせることもあります。また特定のタイプによっては、ヘリコバクターピロリ菌の除菌療法やC型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス剤などが奏功することもあり、バリエーションに富んでいます。代表的なタイプに対する治療について下記に示します。 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療

 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、リンパ腫の30~40%を占める最も多いタイプのリンパ腫です。標準的治療は、抗体医薬であるリツキシマブに、シクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチンの3種類の抗がん剤と副腎皮質ホルモン剤を併用したR-CHOP療法を3週間ごとに6~8回繰り返すことです。一方、最近の知見としてリンパ腫細胞表面に特定のマーカー(CD5)を持つタイプや、治療抵抗性を示す染色体異常が検出された症例では、R-CHOPよりも治療強度を高めた化学療法が行われることもあります。また早期に再発した症例では、65歳以下の若年者であれば、自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を組み込んだ治療を検討します。

ろほう性リンパ腫の治療

 ろほう性リンパ腫は、腫瘍の大きくなるスピードがゆっくりとした「緩除進行型リンパ腫」の代表です。無治療でもあまり病状が進行しないこともあり、現在も明確な標準的治療や治療指針が確立されていません。腫瘍が大きくなく、症状もない場合は無治療にて経過観察することもよくあります。治療の開始は、GELF基準という腫瘍量の大きさを判断する項目で

  • 腫瘍最大径7cm以上
  • 3cm以上のリンパ節領域が3つ以上
  • 脾臓の腫れ(16cm以上)
  • 胸水や腹水のたまり
  • 全身症状

などに当てはまる場合に考慮します。治療はやはり「全身化学療法」が中心です。治療薬の選択肢はいくつかありますが、当院では2018年に保険適応となった新規抗体医薬オビヌツズマブに、抗がん剤ベンダムスチンを併用したGB療法を積極的に導入して、病勢悪化のない長期予後を目指します。

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多発性骨髄腫

 多発性骨髄腫はBリンパ球から分化した形質細胞の腫瘍で、一般的にはゆっくりした経過をたどります。腫瘍細胞から産生される血清中または尿中の単クローン性(腫瘍性の証拠となる、ただ1種類の)免疫グロブリン(M蛋白)や、貧血を主とする造血障害、腎障害、溶骨性病変(骨がもろくなる)、易感染性(免疫力の低下で感染症にかかりやすい)などの症状が特徴です。高齢者に多く、60歳代後半から罹患率が急激に増加し、診断時年齢は多くが70歳代以上です。

多発性骨髄腫の検査

 血液・尿検査でM蛋白を証明することと、画像検査で骨病変を確認することが必要です。いずれかの検査で多発性骨髄腫の可能性が高いと判断すれば、確定診断には骨髄検査を行います。骨髄塗抹標本(スライドガラスに骨髄液を塗布し、染色した標本)を顕微鏡で観察し形質細胞の増加を確認するとともに、院内のフローサイトメトリーで形質細胞が腫瘍かどうかの確認を行います。さらには「染色体/遺伝子検査」で「遺伝子のキズ」を特定したりします。画像検査は全身骨のレントゲンやCT、MRIで溶けた骨の病変や、逆に骨腫瘍としてかたまりを造る病変を確認します。最近ではPET-CTでも骨病変のチェックを行います。

多発性骨髄腫の治療

 多発性骨髄腫では一般的に、初回治療から自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を組み込んだ戦略の有用性が言われてきました。しかしこの治療は毒性も高いため、基礎疾患のある人や高齢者では合併症によりかえって予後を悪くする可能性もあります。当科では65歳を基準に、この治療の適否を判断しています。多発性骨髄腫に対する治療はこの10年で飛躍的に進歩した一方で、なかなか「治癒」に至らないのも事実です。ですので、長期にわたっていろいろな治療薬を「適材適所」で使っていかなければなりません。当科では患者様の病態やご希望にできるだけ合わせながら積極的に新規薬剤を使っていきます。

①自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の適応の方

 一般的に65歳以下で重大な合併症のない方が対象となりますが、年齢については多少の幅があります。寛解導入療法としてボルテゾミブやレナリドミドをベースにした化学療法を行った後に、大量シクロホスファミドまたはプレリキサホルと顆粒球刺激因子(G-CSF)による造血幹細胞動員(元々は骨髄にしか存在しない造血幹細胞を末梢血に流出させること)を行います。末梢血に流れ出た幹細胞を血液成分分離装置を用いて採取し、凍結保存します。大量メルファラン療法により骨髄腫細胞を叩いたのち、凍結しておいた幹細胞を溶かして血管から輸注することで、大量メルファランによって破壊された血液機能を救援する方法です。最近では移植後にも新規薬剤による強化(地固め)療法や寛解維持療法を行うこともあります。

②大量化学療法の適応でない方

 現在は日本でも多発性骨髄腫に対する新規薬剤が数多く保険適応されるようになりましたが、初回治療としてはボルテゾミブ、レナリドミドといった薬剤が治療の中心となります。

③再燃・再発した方

 治療の進歩にもかかわらず、「治癒」に至らないことで多くの患者様は長く病気とつきあうことになります。しかし現在では後述する種々の薬剤が保険診療で使用できるため、最初の治療後に再燃・再発した方でも治療の選択肢は多くあります。プロテアソーム阻害剤と呼ばれる種類にはボルテゾミブのほかにカーフィルゾミブ、イキサゾミブといった薬剤が、抗体医薬にはダラツムマブ、エロツズマブが、免疫調整薬にはレナリドミド、サリドマイド、ポマリドミドが挙がります。これらの薬剤を患者様の状態やライフスタイルに合わせて使用します。

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急性白血病

 リンパ腫や骨髄腫が比較的成熟した細胞から発生するのに対して、急性白血病は造血前駆細胞という幼弱な細胞が腫瘍化したものです。前駆細胞の起源によって「骨髄性」と「リンパ性」に大きく分類されます。いずれも正常な血球すべてが減少して、感染症、貧血症状、血小板減少による出血症状を生じます。また白血病の腫瘍細胞は血液にのって全身の臓器に入り、多臓器障害を引き起こします。放置すると数日から数週間の単位で命にかかわる状態になるため、迅速な診断を要する疾患です。

急性白血病の検査

 一般的な血液検査で急性白血病が疑われた場合は、骨髄検査で確定診断につなげます。当院では骨髄塗抹標本で白血病細胞の形態診断と標準的な免疫染色(腫瘍細胞の起源をある程度類推する検査)に加えて、検査当日には院内のフローサイトメトリーで腫瘍細胞の表面および細胞内マーカーを分析できる体制をとっています。これによりおおむね当日には診断がつき、迅速な治療につなげることが可能です。一方、前述した「染色体/遺伝子検査」は白血病診断においても必須の検査です。「遺伝子のキズ」を特定することで疾患特異的な「分子標的治療薬」による治療適応を判断したり、治療後の治りやすさ、治りにくさを類推することができます。急性リンパ性白血病の「BCR-ABL」という変異遺伝子や、急性骨髄性白血病の「PML-RARα」という変異遺伝子がその代表的なもので、それぞれ「チロシンキナーゼ阻害剤」、「ビタミンA誘導体による分化誘導療法」という特効薬が適応となります。

急性骨髄性白血病の治療

 標準適応的治療は「寛解導入療法」と「寛解後(強化)療法」数コースの組み合わせで行います。寛解導入療法は、シタラビン7日間とダウノルビシンまたはイダルビシン3日間の2種類の抗がん剤を投与します。「完全寛解(見かけ上、白血病が消えたように見える状態)」に至っても、そこで治療を終えると多くの方が再発していまうため、通常は寛解後(強化)療法を3から4コース行います。治療期間は4~6ヵ月程度になります。治療の効果や「遺伝子のキズ」の付き方で再発の危険性が高いと判断した場合は、岡山大学病院との連携で寛解後に同種造血幹細胞移植を行うこともあります。ただし移植医療は合併症も多いため、年齢や全身状態による制限があります。

PML-RARα変異陽性急性前骨髄性白血病の治療

 前述したPML-RARα変異陽性白血病に対しては、ビタミンA誘導体レチノイン酸の内服による分化誘導療法が有効です。レチノイン酸の内服と抗がん剤治療の併用による寛解導入療法を行い、寛解後はやはり寛解後(強化)療法を3から4コース行います。このタイプの患者様は今やこの治療で多くの方に治癒が得られます。

BCR-ABL変異陽性急性リンパ性白血病の治療

 このタイプの患者様は元々予後不良で、移植で治癒に至る方も少数でした。しかしチロシンキナーゼ阻害剤の登場により最近では治療成績がかなり改善してきています。標準的治療としてチロシンキナーゼ阻害剤と抗がん化学療法との組み合わせで寛解導入療法を行うと、多くの方で完全寛解が得られます。寛解後はやはりチロシンキナーゼ阻害剤を組み合わせた寛解後(強化)療法を行います。若年であれば再発予防として寛解後に同種造血幹細胞移植を考慮します。

BCR-ABL変異陰性急性リンパ性白血病の治療

 標準的治療として、通常ビンクリスチン、ダウノルビシン、シクロホスファミド、L-アスパラギナーゼとステロイドホルモンを併用した寛解導入療法を行います。寛解後は、薬剤を変更しながら、6コース程度の寛解後(強化)療法を行い、その後は外来で「維持療法」を計2年間継続します。やはり治療効果や「遺伝子のキズ」のつき方で再発の危険性が高いと判断すれば、岡山大学病院との連携で寛解後に同種造血幹細胞移植を積極的に行います。

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糖尿病

糖尿病は血糖値が高くなり、それが原因となり全身の臓器に様々な合併症をひきおこす病気です。

糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症は3大合併症と言われ、それ以外にも狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、下肢の動脈硬化症、足潰瘍や壊疽など、動脈硬化を基盤として起こってくる病気も非常に起こりやすくなり、患者様の生活に大きな影響を及ぼします。

現在、わが国では糖尿病患者が激増し、糖尿病合併症が大きな社会問題となっております。

糖尿病治療は食事療法や運動療法といった生活習慣の改善が基本となり、その上に薬物治療が加わります。こうした治療をきちんと行うためには医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、歯科衛生士など多くの医療スタッフによる協力が必要となります。

当院では多職種が糖尿病療養指導士(現在12名)の資格を持っており、糖尿病専門医を中心とし専門的知識を持った医療スタッフが連携して「チーム医療」を行い、糖尿病治療に取り組んでいます。

またクリニカルパスを利用した糖尿病教育入院(2週間コース、2泊3日の短期コース)を行っており、糖尿病教室に参加し糖尿病についての正しい知識、食事療法・運動療法の進め方などを習得します。

入院中に膵臓のインスリン分泌能を評価し、患者個々の病態に応じた適切な治療を提案します。

糖尿病の合併症である細小血管症(神経障害、網膜症、腎症)と大血管障害(狭心症・心筋梗塞、脳梗塞、下肢の動脈硬化症)についても精査し、必要に応じて合併症に対する治療も行います。

現在インスリン治療が必要とされる患者様が急増しており、当院では外来インスリン導入パスを利用し、外来でのインスリン療法導入も行っています。近年注目されています糖尿病足病変(潰瘍、壊疽)に対しても、糖尿病フットケア外来にて形成外科と連携をとり、対応しています。

当院は糖尿病患者会「ひまわり会」があり、毎年ウォークラリー参加、日帰り旅行、食事会などを開催しており、糖尿病患者様同士の親睦を深め、知識の向上を図っています。

糖尿病でお困りの方は、是非いらして下さい!

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【糖尿病教室のご案内】(2週間コースの予定)

 主に糖尿病教育入院中の方を対象に行っていますが、外来の方も参加できます。

<1週目>

  • 水:どんな検査があるの?(臨床検査技師,14:00~15:00)
  • 木:糖尿病ってどんな病気?糖尿病の治療って(医師,10:00~11:00)
  • 金:試食会(11:40~12:20)
      どのくらい食べたらいいの?糖尿食は健康食(管理栄養士,13:30~14:30)
  • 月:歯ブラシの3つの基本!(歯科衛生士,11:00~12:00)
      運動療法(理学療法士,15:30~16:10)
  • 火:網膜症ってな~に?(ビデオ,10:00~10:30)
      低血糖の時はどうするの、病気にかかったらどうするの(病棟看護師,14:00~15:00)
 

<2週目>

  • 水:楽しく知ろう糖尿病のお薬(薬剤師,14:00~15:00)
  • 木:糖尿病の合併症(医師,10:00~11:00)
  • 金:“外食のコツ”(管理栄養士,10:00~11:00)
  • 月:仲良くしよう糖尿病(外来看護士,14:00~15:00)
 
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外来診療

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初診 午前8:15~午前11時
再診 午前8:00~

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年末年始
※救急の場合は上記の限りではありません。

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